シカさん
ごめんね、シカさんと離れ離れになってしまいました。
キリン、日々シカさんのことを考えます。今更になって遅いのですが、シカさんのことを考えます。
キリン、昔からそうです。手に入れたものを蔑ろにしてしまう。新たな興味が外に向いてしまう。失って初めて気づくのです。
シカさんはとっても大切だったはずなのに。頭で分かっていても大切に出来ていませんでした。大切なはずなのに、大切じゃないかのように無下にしてしまいました。
キリン、自分が病気なのかと思う時もあります。人の胸に飛び込むのが怖いだけなのでしょうか。すべてをさらけ出すのが怖いだけなのでしょうか。
なぜ、愛してくれたシカさんを大切に出来ないのか、キリン、自分でも分かりません。たくさん苦しめました。苦しめていたことにも気づいていないのかもしれません。
すれ違いが増えました。すれ違うようにしていました。きっと。
キリン、バカです。取り返しのつかないことになりました。いつまでも一緒にいてくれると思ったら大間違いです。
シカさんだって立派なシカです。シカさんにはシカさんの幸せがあるのです。
どれくらい経つのでしょうか。最後に素直に笑い合えた日から。
また、出会えても同じようなことになるのでしょうか。
シカさん、ごめんなさい。幸せにしてあげられなくて。
本当はシカさんに会いたくてたまりません。今なら大事に出来るのかな。だけどもう遅い。
いつかキリンが後悔すべきなんだと思います。
ずっとぐるぐるしています。シカさんは悲しいですか?シカさんの気持ちすら、キリンには分かっていないのだと思います。
シカさんとの間に、新たな命が生まれてくるとしたらということも、初めてきちんと考えています。今まできちんと考えていなかったんです。身体のどこかで拒否していたのです。
今なら色んなこと、素直に話せるのかも。
シカさん、本当はキリン、シカさんのこと大好きでした。辛い何年間かを過ごさせて、ごめんなさい。